長期投資の場合は価格のボラティリティ(価格変動率)を低くおさえ、資産価格が緩やかに上昇することが望ましいこともありリスクコントロール上場投信がどのような運用状況であるのか、長期投資に活用できるETFなのか確認してみました。
リスクコントロール上場投信
現在リスクコントロール上場投信としてTOPIXリスク・コントロール指数に連動するETFがあるようです。
ターゲットとするボラティリティによって、
- MAXISトピックスリスクコントロール(5%)上場投信
- MAXISトピックスリスクコントロール(10%)上場投信
があり決められたボラティリティを超えると株式比率を変動させるというETFになります。
ちょっと変わったETFみたいですね。
特徴について
TOPIXに連動するETFと異なりTOPIXの過去の変動率をもとに、値動きが大きくなりボラティリティが上がると株式比率を下げ、ボラティリティが小さくなると株式比率を上げることでリスクをコントロールすることがリスクコントロール上場投信の特色のようです。
TOPIXリスクコントロール指数にあわせ株式と現金のリバランスを行うようなETFでしょうかね。
株式と現金比率を変動させることでTOPIXより低い価格変動率を目指すようで、価格変動率を大きくするレバレッジ型ETFとは全く違った方針のETFになります。
実際の価格変動状況
実際の運用状況から価格変動状況を確認してみました。
TOPIXに連動する「MAXIS トピックス上場投信[1348]」、ボラティリティを小さくする「TOPIXリスクコントロール指数(ボラティリティ10%)[1574]」、参考までにボラティリティを大きくする「TOPIXブル2倍上場投信[1568]」それぞれの価格変動イメージです。
赤い線がリスクコントロール(10%)上場投信ですが確かに変動率が低く抑えられているようです。
2012年9月からTOPIXがほぼ右肩上がりのため全く魅力的には見えないですが逆にTOPIXが右肩下がりだったと思うと下落リスクを大きく抑えることができていたのかなあとも思いますが実際のところどうなんでしょうかね。
参考までにリスクコントロール戦略について記載がありましたのでこちらも確認してみると面白いかもしれません。
これを見ると中長期では「TOPIX」よりも「株式・現金の固定比率」よりも良いパフォーマンスが期待できるかもしれません?
注意点など
注意点ですがとにかく出来高が少ないです。
買いたい時に買えないのはまだしも売りたい時に売れないのは困ってしまうので注意が必要です。
またTOPIXリスクコントロール指数に合わせた比率変更がどの程度パフォーマンスを良くしているのかはイマイチわからない所があります。
株式比率を変動させることにより通常のTOPIX連動ETFと比べても運用コストが高くなっているため、手間でない場合は自分で株式と現金の比率を調整していくのでも良いかもしれません。
でもちょっと自分で日々調整していくのはちょっと面倒かもしれないな。
分散投資の目的が資産全体の変動率を抑えることと考えるともう少し人気があっても良さそうですがいかんせん人気がありません。
逆に変動率を高めるレバレッジ型は大人気となっていますがレバレッジ型は長期投資には向かないと思うんですよね。
ボラティリティを抑える長期投資にも良いETFと思いますが出来高が増えないとちょっと購入がためらわれます。
当面の低ボラティリティETFは日本株最小分散ETFに期待でしょうかね。