「取得した資産は長期間売却せずに持ちつづけ、長期的なリターンを目指す」ことをバイアンドホールド戦略というようです。
バイアンドホールド戦略はどういう点に優れていて、はたして自分に合うのかどうか、簡単に確認しました。
バイアンドホールド戦略のメリット
バイアンドホールド戦略が推奨される理由としては売買回数を減らす事で「売買コストを抑える」ことが出来るのと、株式等の資産を長期に保有することで得られる「複利の効果」が大きい事の2点が背景にあるようです。
まず「売買コストを抑える」ことですが、こちらはネット証券の普及により状況がかなり違ってきているように感じます。
たしかに売買の金額や頻度によって売買コストがバカにならない可能性はありますが、カブドットコム証券のフリーETFや、少額取引の場合は松井証券などを活用することで売買コストを抑える事ができそうです。
投資信託でもノーロードかつ低コストの商品が増えていることもあり自分くらいの売買金額であれば、バイアンドホールド戦略と比べて売買コストの差は限りなくゼロに近い状況で運用することが出来る気もするので「売買コストを抑える」という観点ではメリットは小さくなってそうです。
「売買コスト」には売却時にかかる課税コストも含むのだろうと思いますが、価格は結構上下に変動しますし課税コストを踏まえてもホールドがそこまで圧倒的に優位とは感じていません。
次に「複利の効果」についてですが、保有することでの「複利の効果」と売却することで得られる「リバランス効果」(セルリバランス)どちらが大きいのかという事になるのでしょうか。
こちらについてはバイアンドホールド戦略を推奨する際の前提が違ってそうですが、定期的にリバランスを行う方が通常はパフォーマンスが上がるようです。
とすると「複利の効果」の前提は「売却し現金資産で保有する場合」と比べた話なんだろうなと考えました。
現金資産で保有すると複利の効果が得られない(小さい)ためバイアンドホールド戦略は推奨されているのでしょうか?
現金資産だと複利の効果が得られない?
マイナス金利導入で今後どうなるか分かりませんが、現金資産もわずかながらプラスリターンなので複利の効果が得られないわけではありません。
一応はリスクとリターンを持つ資産ですし、そう考えるとリバランス対象とする資産と意識するのが適当なんじゃないかなと思います。
ちなみに「myIndex」を参考にしますと現時点の主要資産リスク・リターンは以下の通りとなっています。
資産種別 | リターン | リスク |
---|---|---|
現金 | 0.2% | 0.1% |
日本株 | 1.3% | 17.9% |
先進国株 | 8.4% | 19.3% |
日本債券 | 2.4% | 2.4% |
先進国債券 | 6.0% | 10.6% |
株式・債券はリバランスすることでパフォーマンスが上がるから推奨される一方、売却し現金資産にリバランスすることにはあまり触れず「バイアンドホールド戦略」が推奨されているように感じるのは少しシックリしないな、と個人的には感じております。
実際にはリスク許容額などを踏まえ、必要な場合資産売却し現金比率を高めるというのはセットなんだろうなと思います。
結局、リスク・リターンの話に戻ってきたようです。
バイアンドホールド戦略は良く推奨されているのですが、個人的にはシックリしてこなくなったので少し整理しておきました。
結局は「バイアンドホールド」という言葉のイメージが強いだけのように感じ、いろいろなサイトを良く良く見ると「できるだけ売却しない方が良い」くらいの温度感のようにも感じます。
しかし「株式資産を債券資産へリバランス」というのは違和感ありませんが「株式資産を現金資産へリバランス」と書くと違和感があるように感じるのはなぜでしょうかね。
個人的には売却は現金資産へリバランスするという考え方がシックリきていますが。